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2017.12.14

花よりマージャン

ちいさい頃の友だちと言えば、家の近くにしかいないものだった。
そんな私にひとり、遠い異国のようにさえ思える何駅も先に住む友達がいた。
最近ふと思い出したので特にオチもなく、書いてみようと思う。


お父さんは暇さえあれば悪い友だちの家で徹夜マージャン大会をする男だった。
そして私はよくよくそれにつれて行かれた。
連れて行かれたというと語弊があるか。ついて行ったのだ。
マージャンの前にジンギスカンをするのがお約束だったので、肉が食えるとあらば行かぬわけにいかぬのだ。
肉が食えるのに行かないデブいる?
当時小学三年生の私の体重は25kgくらいだったが、マインドはすでにデブのそれだった。

ジンギスカンパーティ兼徹夜マージャンの会場は決まっている。
平ちゃんの家だ。
平ちゃんというのは私の友だちではなくて、家主のおっさんの名前だが子どもの私も平ちゃんと呼んでいた。
名前が服部平次なので、それに倣って。
この話別に入れなくてもいいんだけど、どうしても入れたかったのでわざわざ仮名使っていれちまう。
ここでは一応伏せて服部平次(仮名)としたが、本当に某有名探偵と同姓同名なのだ、平ちゃんは。
でも平ちゃんは高校生探偵のように頭脳明晰ではない。
平ちゃんとそのお嫁さんはほとんどアル中だったと思う。
家がめちゃくちゃ汚い。二人とも、四六時中飲んでいる。
定かな記憶でないが、自営業だったか在宅勤務だったかで昼間っから暇さえあれば飲んでいた。
でもそんな平ちゃんの家もジンギスカンが食えるので、私にとっては食べ放題会場といった風だった。
その家には私と弟と歳の近い姉弟がいてなかよく遊んだものだ。
お姉ちゃんの方を、仮にカズハちゃんとしよう。平次の子どもが和葉なのもおかしな話だが。
カズハちゃんは私より一歳下の女の子。
こんがり日に焼けた手足がいつも、誰かからのお下がりのブカブカの服の中で泳いでいた。
「お腹減ったな~」といつも言っていた。
二人して、昼間に駅まで走って行ってミスタードーナツの店先をじっと眺めていたのを覚えている。
オールドファッション、ダブルチョコレート、フレンチクルーラー……。
私たちはお金を持っていなかったから、なんにも変えなかった。
店員さんがドーナツを追加するのを阿呆のように見つめて「お腹すいた」と言うだけ。それだけの遊び。
その遊びを提案したカズハちゃんは欠食児童で、かなり変わった家の子だったと思う。

カズハちゃん家は二世帯住宅。
平ちゃんたち家族が住んでるゴミ屋敷と渡り廊下で、平ちゃんのお嫁さんのおじいちゃんおばあちゃんの家と繋がっていた。
ゴミだか宝物だかわからないものをかきわけ、子どもの体を折り曲げるようにして。
そうしないと渡り廊下のドアにたどり着けなかった。
もしかすると、平ちゃんのお嫁さんはそこを封印していたのかもしれない。大人じゃ到底通れない狭さだった。
平ちゃんは、普通に出入りしていた。
ただしわざわざ玄関からだったけれど。おじいちゃんの家にあるマージャン部屋に入り浸るのだ、みんなして。
ともかく、そのゴミ廊下をくぐりぬけてドアを一枚開けると、別世界。
いかにもお金のある老夫婦の家と言った風なリビング。ふかふかのソファ。いい匂いのする花が活けられた花瓶。
おばあちゃんはよく、昼間から麻雀と酒盛りをする父たちに追い出されて暇を持て余していた私たちと遊んでくれた。
ビーズでアクセサリー作りをさせてくれたり、本を貸してくれたり。
やさしいおばあちゃんだったと思う。
でもカズハちゃんは、おばあちゃんには「お腹減った」と言わなかった。
それだけはよくよく印象に残っている。
公園で声をかけてきたおっさんにでさえ「お腹すいた」と言う癖に、肉親には言わないのが不思議でたまらなかった。
でも、私も一度だけ上品そうなカズハちゃんのおばあちゃんの服の裾を引いて
「おなか、減っちゃった」
と言ってみたことがある。後述するが、焼肉が当たらなかったのだ。
そうしたら、おばあちゃんはニコニコして「そう」と言っただけだった。
いつまで経っても何かを食べさせてくれたりはしなかった。
私たちが届かない棚にクッキーがあるのになぁ、と思った。でも、ひとかけもくれなかった。
カズハちゃんもなんにも言わなかった。
あとでこっそり、「おばあちゃんに言っても出てこないよ」と耳打ちしてくれた。
空気の読めない私は「おじいちゃんは?」と聞いたけど、カズハちゃんはまた黙って、にんまりしただけだった。

前に書いた「りんりん、病院に行こうよ」でも触れたが、この家に集うマージャンオヤジたちは子どもである。
基本的に飲んだくれ、好きなものを食べ、マージャンに興じ、寝る。
連れてきた子どもに一瞬構いはするものの、飲みながらマージャンをし始めると、もうだめだ。
何度焼いていた肉をかすめ取られ、水割りを作らされ、布団もなく床で眠らされたことか。
りんりんというマージャンが弱くてやさしい大工のおじさんがいないと、私たちは腹ペコだったし満足に眠れなかった。
平ちゃんの家はゴミ屋敷なので食べられるものがマジでないのだ。
冷蔵庫に入ってるものは食べていいものか判断できかねた。私たちはまだ小学生の女の子だったから。
お肉を取り置いてくれたりんりん。遊んでくれたりんりん。
布団の場所がわからないから自分の上着と座布団を貸してくれたりんりん。
ありがとう……。
ともかく、我々はほっぽり出されていた。
夜は、底板が抜けてただの木枠になったベッドの残骸の中で布団があるという設定で寝たりするのが常だった。
床は硬いしザラザラと埃が肌にささったけど、楽しかった。
そういえばあの時、弟たちはどこにいたのだろう。
本当に不思議な話なのだが、彼らはおばあちゃんにクッキーをもらえていた。
だから、きれいで上品な家で眠っていたのかもしれない。
まぁそれはいいのだ。これは私とカズハちゃんの話だから。
どの夜もそれは楽しかったが、忘れられない一晩がある。
カズハちゃんが突然「お花見しよう」と提案してきた夜のことだ。
時間はたしか、23時をまわっていたように思う。
小学生の私をして「もう夜中だよ」と答えさせるような時間だった。
でもカズハちゃんは癖のようになっているにんまりした笑顔で「でもみんな気にしてないよ」なんて言って気にもしていない。
こんがり焼けて茶色い肌に少し黄色っぽい歯が覗く顔は今思うと、チェシャ猫そっくりだ。
そのあとどんな問答があったかはおぼろげにも思い出せない。
チェシャ猫とアリスのように、まぁなんやかんやで外へ出たのだろう。
カズハちゃんも考えなしだが、私も考えなしだから、二人なら夜中だってへいちゃらだと考えたのに違いなかった。

夜の坂道を私たちは駆け上がった。
「お腹減った~」と電灯だけの夜道を走りながらカズハちゃんは叫んだ。
坂を上った先にある公園へお花見に行くのに、持って行けるのはビーズで作った指環くらいしかなかったので。
桜もちでもあるといいなと思ったけど、私たちはお茶のひとつもある場所を知らなかった。
というか、あの家にお茶などあっただろうか。
水ばかり飲んでいた気がする。飲めるものが水か酒かくらいしかないのだから、アル中の家は恐れ入る。
足の遅い私がハァハァ言いながら坂を上りきった先で、笑っていたカズハちゃん。
にんまりした笑顔。
月明かりのある夜ではなかったので、電灯のオレンジに照らされてますます人でなく見えた。
カズハちゃんの後ろに桜が一本植わっていた。
ハラハラと花びらが夜風に舞っていた気がするが、あまり記憶にない。
カズハちゃんのことばかりを思い出すから。
「喉かわいたねぇ」
どちらともなく言ったので、公園の蛇口をひねって手のひらに水を溜めて飲む。
そうしたら、花びらがひらっと、私の手の中のため池に落ちてきた。
私はそれを取り除こうとしたのだがカズハちゃんは横から顔を近づけて、私の水を飲んでしまった。
花びらをもぐもぐさせて、水を噛んで「桜の花びら食べられるんだね」と言っていた気がする。
それを聞いて、私も花びらを食べた。
二人して桜を食べて、花より団子より、花びらだった。
お腹は少しも膨れなかったが、なにか胸がいっぱいになるような、そういう夜だった。

あれからもう十年以上経った。
カズハちゃんとはもう会うことはないと思う。
私のお父さんはそこそこクズからかなりクズにランクアップして顔向けできないし、りんりんは死んでしまったし。
私たちは父親世代を介した友だちだったから、父親たちの交流がなければ会うこともない。
「お腹減ったぁ」とばかり言っていたカズハちゃんが満腹になれる大人になったかは、知らない。
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Posted at 17:19 | 小話 |
2017.12.13

レベル上げはしょっぱい

私は泣き虫だ。

職場で怒られて泣く、これは社会人としてあるまじき態度!との見方もあるだろうがまぁわかる。
でも私は怒られてなくても泣く。
例をあげると「書類作ってくれてありがとう。でもここ、ちょっとやり方違うからこうして直してくれる?」というめちゃくちゃ優しい、社会人としてはかなり当たってラッキーな先輩からの言葉でさえ泣く。
お茶出しの時に茶托の選択をミスして「あの茶托にしてね」と指示されても泣く。三時間は泣き続ける。
どうかしちまってるのだ。
先輩は怒っていない。声色は優しい。
まずほめてくれている。そして「こういう風にして修正して」と明確な指示もくれている。
100点と言わずして何を100点といわんや。
なぜこれで泣く。泣かれた先輩のほうが泣きたいし、なんでだよ! と思うだろう。
私も不思議なのだ。
「あっ、涙出ちゃう」とか、そういう予兆もない。
奴は突然やってくる。

あまりにも涙がポロポロ出るので思い切って病院に相談したこともある。
でもまぁ、「メンタルの調子も影響してるかもしれませんね」くらいの回答だったので……。
涙腺、焼切ったりできないのだろうか。
なぜ怒られていないのに涙が出るのか……。
一因にはインナーチャイルドも関係してくるとのことだが、もうこれ以上自分と向き合うとまた「死~ん」しか考えられなくなるのであまり考えないことにしている。
昼休み。
便所で昼食をとりながら(孤独なのではなくて自分だけの時間がほしくて趣味でやっているのだ。詳しくは便所が好きだと主張する記事を読んでほしい)、どういう顔して休憩から戻るか一考している。
最近カッターを持つのをやめた。えらい!
些細なことでも自分をほめてあげるのもインナーチャイルドと向き合うための大事な……また、考えてしまった。
先輩も上司もやさしい。
やさしすぎるのだ。もういっそ怒ってさえほしい。
的外れもいいところだが、そう思いたいほどやさしい。やさしすぎて泣いてしまう。
こんなやさしい人たちに迷惑をかけてしまった、恥をかかせてしまったと思うとボロボロ涙が出て止まらなくなる。
いっそ周りの人が怖い人ばかりであればなと思う。
やさしいというのは、時に劣等感の化け物にとっての暴力である。
これをここまで読んでるあなたも暴力の塊だ。
忍耐強く、穏やかで、やさしい。
曰く。メンヘラはやさしい人に依存しては傷つける という。
でもそれは違うのだ。
メンヘラ(ここでは便宜上メンヘラと呼びならわす)は、やさしさという攻撃から身を守るので必死になっているだけだ。
鬼束ちひろだって歌ってるじゃないですか。
『やさしいものはとても怖いから 泣いてしまう』って。

私は泣き虫なのではなくて、HPが低いのだろう。
みんな、どこでレベル上げしてるんですか?
もしかしたら私はまだ、最初の村から出て一歩目の草むらからも出られずにいるだけなのかもしれません。
大人になったらレベルが高いのが当たり前だから、泣かないようになるんでしょうか。


2017年、鬼束ちひろのCDをなくしてしまった部屋で。
Posted at 19:41 | 小話 |
2017.04.17

『コンドームの別に正しくない使い方』

昨今、BL小説にもセーフセックスを!性病予防の正しい知識を持とう!という向きがある。
賛同するも、知ったこっちゃあるか俺は二次元BLファンタジーで無責任中出しするぞ!と思うも自由ですが、セーフセックスと言えばコンドームですよね。


コンドーム。
それとの出会いは忘れもしない中学1年生の夏。
小中学生の間ではしばしば科学的根拠ゼロの突拍子もないおまじないが流行るものである。
「コンドームをお財布に入れてるとお金が貯まる」
これもそのひとつだろう。
コンドームは瞬く間に学校中に広まった。
私も友だちが先輩の先輩の友だちのお兄ちゃんからもらったのをもらったことがある。
えらく長い旅をしてきたコンドームだ。
自分で買ってる子も中にはいたのだろうか。
でも先日の『限界腐女子、大人のオモチャを買い込む』でも書いた通り自分からこの手のものを買ったと宣言する人はあんまりいない。
女子中学生ならなおさらだろう。
それらが流通するときはたいてい「私ももらったんだけど、分けてあげる」という文句が使われた。
ただ、これは避妊具だという認識はみんなあったが、それよりもまず「金運グッズ」だった。
なので、それを財布に入れることにみんな特別深い意味を感じていなかったと思う。
今になって勘ぐってみれば、
女子学生が財布にコンドームを入れておく→それを使って援助交際する→お金が手に入る
という風が吹けば桶屋が儲かるショートバージョンなのでは……と思うのだが。
ただ、この噂は男子にも広まっていたので、男子生徒も財布にコンドームを入れてる子が多かった。
この間攻めが助けに来ないタイプのモブレイプを読みながら「この受けも金運アップのおまじないでコンドーム持ってりゃ中出しは免れたかもしれんな……」と懐かしく思い出した。
ちなみにこれはこの後攻めによる「俺が触られたとこ全部きれいにしてやる……」というお清めセックスが行われてしまい泡吹いて倒れたのだが、攻めも無責任中出しマンだった。
何がお清めだよ。お前の精液は聖水か?

コンドームとのかかわりは次第に深くなりはじめる。
おまじないグッズではなく、遊び道具としての活用の始まりだ。
中学二年生になり「コンドームのパッケージを開ける」ということを思いついた我々。
火を初めて使えるようになった人類みたいですね。
コンドームをちんちんカバーとして以外の用途で使ったことのある人はめちゃくちゃ多いと思うので言うまでもないが、あいつの伸縮性たるや並大抵のものではないのだ!
ぷうぷう膨らませればそこらの風船なんか目じゃないほど膨らむ。
水風船にすれば信じられないほどの水が入る。
これ、ちんちんに被せて精液溜めるより災害時に水を運ぶのに使うほうがよっぽど……。
と思ったらすでに活用されている例も多くあるようですね。
中でもこちらの記事
「コンドームを持つ女性はかっこいい」という文化を作りたい! “女性のための防災キット“が企画された理由 http://news.livedoor.com/article/detail/9217461/
で取り上げられているサバイバルセットには、コンドームも飲料水や備蓄食料と一緒に入っています。
一部を記事より引用します。
『コンドームは災害時にも活躍してくれます。日本製のコンドームは非常に性能がよく、止血や怪我をしたとき雑菌が入らないよう手袋として使えます。さらに、水も最大4リットル入れることができます。運ぶことを考えると1~2リットル程度(布でくるんで持つと割れにくい)が適当ですが、転がっているペットボトルに水を入れるよりも清潔です。』
防犯ないしジェンダー的な観点からも女性がコンドームを持つことは推奨されますが、こういう使い方もあるんですね。
ちょっと真面目なほうに話が逸れました。
……と、大人になったのでこういう風にも考えられるのだが、中学生女子、しかも女子力キラキラではなく完全にオワリの臭気をまとった腐女子にそんな思考があろうか?
いや、ない。
私の脳は小学生の男子とタメ張るレベルなのだ。
酸欠になるほど膨らませることができる風船! 4リットル入る水風船!
テンションが上がらないわけがない!
類は友を呼ぶ現象で集まった大はしゃぎ仲間たちとコンドーム風船バレーなどに勤しんだものだ。
公園でコンドームをポーン、ポーンとトスする女子中学生。
ちょっと前衛芸術系の監督が撮ったショートムービーの一部っぽいエモさないですか?
かくしてコンドーム遊びが定番となった我々イケてない女子中学生は公園で薄ピンクのそれを酸欠寸前になりながら交代で膨らませては大はしゃぎした。
この公園、子どもが遊んでるといきなりキレだす爺さんが隣に住んでいて小学生が来ないので好都合だったな……。小学生がいたらさすがに躊躇したであろう。
ちなみにコンドームの入手先は100円均一ショップだ。
最近見かけないけど、昔はサンリオキャラとコラボしたのが売ってたのだ。
宙を舞うコンドーム。風にさらわれるコンドーム。その下でスカートを翻す女子中学生。
しかし女子中学生は飽きっぽいことでも有名な生き物なので、コンドームバレーにもすぐ飽きてしまった。
空気の抜けてぺちゃんこぺらぺらになったコンドームをなんとなく蛇口に装着してみる。
ゴクゴクと水を飲んで膨らんでいくコンドーム。
その動きはなんとなくコミカルで小動物的であった。
「かわいい……」
「こいつ、かわいいよ」
女子中学生、それは箸が転がっても可笑しい年頃。そしてアンガールズを見てもキモカワいい年頃。
コンドームだってかわいいのだ。

「ねぇ、このコンドーム飼おうよ」

知能低下した女子の発想はいつもこれだ。
というか、私の「オナホでペットロス」はここからきている。
かくして女子中学生が公園の茂みに隠してコンドームを飼うドキドキの放課後がスタートした。
水をたっぷり飲んでたぷたぷになったコンドームのかわいさたるや。
まだ飼ったことがない人はぜひ飼ってほしい。
安価でエサ代もかからずスペースもとらないし鳴かないし従順だし……。
一人暮らしにもぴったりだと思うんですよね。
おたくの推しにもコンドーム、飼わせてみたらいかがですか?
遠距離恋愛の攻めを思うたびにさみしくてペットを飼おうとするも、アパートがペット不可なので彼が置いて行ったコンドームに水を溜めて洗面器の中で飼育を……? ……?
自分のカップリング観のあり方に皆目見当がつかなくなってきた。狂いそう~^
まぁなんというかしかし、今受けの行動として挙げたのが我々のコンドーム水風船の飼い方であった。
学校が終わると公園に立ち寄って、ぷにぷにつんつんする。
抱っこしようとするとブルン! とたっぷり水を溜めこんだ体がすべって逃げていく。
ぺちぺち叩けば洗面器の中でビチビチ暴れるその生き物がいとおしくてしかたなかった。
名前までつけていた。ポチだったか、タロだったか……。犬と同じ扱いである。
生類憐みの令に犬だけじゃなくコンドームも含ませるべきだと思う。
この間の『限界腐女子、大人のオモチャを買い込む』を読んだ人はもうお気づきのことと思うが、アダルトグッズを飼うともちろんあれがやってくる。
ペットロス。
私たちが飼っていたコンドームは、わずか四日で帰らぬコンドームとなった。
いつもどおり公園を訪れた私たちを待っていたのは変わり果てたコンドームであった。
破裂し、無惨にもゴムの破片になったかわいいペットの亡骸と血の代わりの水たまり。
これが人間のやることかよ!
先の尖った木の枝などでオモシロ半分につつかれて破裂したのは明確だった。
やりどころのない怒り! 女子高生はジャングルジムによじ登り、あのバネでびよんびよんなるパンダとかの乗り物に立ち乗りし咆哮した!
窓を開けて即座にキレる爺さん!スタンバイでもしてたのか?!
争いは何も生まない。悲しみだけが広がっていくだけだ……。

コンドームはセーフセックスの象徴だ。
セーフセックスは望まれない妊娠をなくし、性病を予防する。
これは平和への足掛かりだ。
コンドームは、平和の象徴……。平和の象徴を、見ず知らずの誰かが、誰……クソ……!
こんなの、戦争だろうが…………!!!


これは本当に余談ながら、私はいまだコンドームをセックスを目的として使用していない。
とうに成人した私は今も時折コンドームを膨らましバレーをしたり、水を溜めてぷにょぷにょのペットにしたりする。
働き始めてお金にそこそこ余裕もできたので、無駄に光るコンドームだって買えちゃうのだ!
そして今それに付き合ってくれるのは、もっぱら弟なのである。
女子中学生時代、キラキラ輝くアホ下ネタの日々で私に付き合ってくれたみんな。
みんな、結婚しちゃったり腐女子を卒業したりしたね。
私ひとりだけが、あの日の公園で今もコンドームを飼っている。
急にさみしさがこみあげてきて収拾つかなくなってきたので、もうこのへんで終わっていいですか?
Posted at 11:36 | 小話 |
2017.04.12

『りんりん、病院に行こうよ』

りんりんが死んでしまった。
末期のがんだったらしい。

りんりんというのは、私が懐いてたおじさんだ。
父親の友人なので親子ほど歳が離れていたが、私は彼をりんりんと呼んだ。
私のお父さんはそこそこのレベルのろくでなしだったので、私を連れてよく徹夜マージャンに励んでいた。
りんりんは大体いつもその会場にいて、私と遊んでくれていた。
彼はマージャンが弱いのだ。
早々に負けてしまうと、酒もそこそこに幼い私と遊び始めるやさしいおじさん。
徹夜マージャンに連れて行かれては水割りをつくる役だった私に、水割りの作り方を教えてくれたのもりんりんだ。
まだ掛け算も覚えきらない子どもがそこそこちゃんとした水割りを作れるようになったのはりんりんのおかげ。
他のおっさんはかわいいロリ(私は当時はめちゃくちゃかわいかったんで)に酒の注文を当然のようにするばっかりなのでクソだ。
徹夜マージャン会場の家には子どもが引っ張り出せるような布団がなかったので床に寝ていたのだが、りんりんは勝手がいまいちわからないゴミ屋敷をウロウロしたあと、自分のジャケットを貸してくれた。
ほこりまみれの絨毯や冷たいフローリングの上に寝るのとは全然違う。
りんりんのジャケットはお父さんのよりも少しだけマシなにおいがした。
焼肉をした時も、「飴ヌ、肉焼けたぞ」とどんどんお皿に良い焼け具合のお肉を乗せてくれた。
子どもっぽい大人ばかりの中で、体の小さい子どもが食いっぱぐれなかったのは彼のおかげだ。
りんりんはおしゃべりでも気さくでもなかったし、どちらかと言えばぶっきらぼうなおじさんだったが、子どもにはとてもやさしかったので私はりんりんが大好きだった。
徹夜マージャン会場のおうちの子も「おっさんたちの中ではりんりんが一番すき」と意見を一致させた。
突然プレゼントをくれたこともある。
子どもの私が抱えると顔が半分見えなくなってしまうくらいの大きなテディベアで、お母さんが「りんりん、これ高かったんじゃないの?」と聞いたがりんりんは「いや、懸賞で当たったんだわ」とだけ言って帰って行った。
でも私は知っている。
りんりんがくれたテディベアは、特定の商品を買ってシールを何十枚も集めて、さらにそれに追加して3000円くらい支払って手に入れる限定のくまさんだ。
シールは偶然たまったにしても、3000円追加してくれたのがうれしい。
もしかしたら人にもらったのかもしれないが、新品の3000円+シール代金のテディベアってそんなにポンともらえるんだろうか?
今となっては、本当の入手経路はわからない。

小学校も高学年となると、少しはクールさを手に入れ劣悪環境と焼肉を天秤にかける頭の回転を手に入れ、私は焼肉付き徹夜マージャンについて行かないようになった。
焼肉は惜しいが、成長しはじめた私をからかうおっさんもいやだったし。
私とりんりんはちょっと疎遠になったが、交流は続く。
りんりんのお仕事は大工さん(だと思う)なので、困ったことがあるとなにかと出張修理を請け負ってくれたからだ。
これは私がそこそこからまずまずにランクアップし最終的に完全なろくでなしになったお父さんのもとを逃げ出してからも続いた。
元はお父さんの友だちのりんりんだが、お母さんにも親切だった。
それがまた私のりんりん好感度をアップさせていた。
なんでもできる大工さんのりんりんはいろんなものを修理してくれた。
蛇口、へし折れたトイレの蓋、食器棚の引き戸、棚……。
弟のためにロフトベッドを買った時に組み立ててくれたのもりんりんだ。
そんなりんりんだが、怪我が多いのも印象深かった。
まだ徹夜マージャン大会へついて行っていたころ、一向にマージャンに参加しないりんりんに「どうしたの? お金ないの?」と声をかけたら、無言で腫れ上がって紫色になった親指を見せてきた。
もう親指っていうか、手にアケビくっつけてるんですか? みたいな感じ。
「お医者さん行ったの!?」とわあわあ騒ぐ私にりんりんは「いやぁ、いいよ。治るから」と言っただけだった。
マージャン牌つかむのが痛くて参加してないくせにこのおっさんは何を言ってんだ? と思ったが、りんりんには焼肉やジャケットの恩義があるので私はとりあえず「そうなんだ」と言ったような気がする。
親指を金づちで思いっきり打ち付けただか角材と角材の間に挟めただか、理由がどれだかわからなくなるくらいりんりんはしょっちゅう怪我をしていた。
それで、そのたびに「いいよいいよ、そのうち良くなる」と言うばっかりで、病院には行かなかった。
風邪を引いてもそんな調子なので、一回そこそころくでなしのお父さんとゼリーを持ってお見舞いに行ったことがある。
りんりんは小学生より病院が嫌いなおじさんだった。

そんなりんりんが死んでしまった。
最初に書いたとおり、末期のがんだった。
私はがんの症状に詳しくないし、りんりんの親族でもないので詳細は聞いていない。
でも、体の調子がいよいよ悪くなって病院に運び込まれて検査された時にはもう手遅れだったと人づてに聞いた。
りんりんはそんなになるまで病院に行かなかったらしい。
全身に転移するだか、そこまで行ったら体も強めに危険信号を出していたんじゃないだろうか。
ちょっと変だなって具合の時に病院に行ってれば、りんりんはもう少し長生きできたんじゃないだろうか。
そう思わずにはいられない。
でも私には、体調が悪くなったりんりんが「いいよいいよ、そのうち良くなる」といつもの調子で病院に行かなかったのが容易に想像できてしまった。

いつもと違うな
なんかおかしいな
体がだるいな
どこかが痛いな
そう思ったら、すぐ病院に行ってくれと私は思う。
別になんでもないなら、それでいい。
なんでもなかったって安心をお金を払って買うようなものだから、病院に行ってくれないかと思うのだ。
私もりんりんのことを言えないので、足の怪我を大したことないと放っておいたせいで今も雨の日はしくしく痛む。
あとついでにメンタルも破裂寸前まで放置したので躁うつ病になった。
やっぱり定期的なメディカルチェックほど大事なものはない。
人間も機械と同じでメンテナンスしないと長く使えないみたいだ。
なんでもなくてもたまに検診するのも大事だよね!
大人になると会社の定期検診でもない限り受けなくなるし、自営業ならなおさら。
自分の体は自分で気遣ってあげるべきなのだ。



余談にはなるが、私はりんりんのお葬式に行けなかった。
完全なろくでなしにランクアップした後も着実にレベルを上げるお父さんが来る可能性があったからだ。
私はお悔み欄に三行で書かれたりんりんの葬儀の情報に向かって手を合わせただけだった。
それが残念でならない。

Posted at 11:08 | 小話 |
2017.04.11

『限界腐女子、大人のオモチャを買い込む』

大人のオモチャ、買ったことありますか。
私はあります。

昨今は女性の自慰行為をケアとかプレジャーとかソフトに呼んで解放していく向きがあり、女性がそういった商品を買うのもそんなに隠すことでもなくなってきたのではないでしょうか?
とはいえ大っぴらに買ったぞ!と喧伝して回る必要もないものですが。
なぜなら大人のオモチャ=ちょっとエッチな使い方❤というのが当然だからであります。

しかし、私は大人のオモチャをあれこれ買ってきましたが、いまだ本来の使い方をしたことがマジでありません。
今回は私とベッドをともにできなかったいろんな大人のオモチャたちの話をしたいと思います。

①電マ
正式名称を「ハンドマッサージャー」というあいつ。
これ、別にアダルトグッズでもなんでもないですけど、そういう通販サイトで買えますよね。
性的に楽しむための機能を追加するアタッチメントとかもあったりして、大人のオモチャの扱いをされることも多いのでは。
全然関係ない話ですが私は電マ責めエロ漫画が世界一好きなので、なんかオススメあったら教えてくださいね。
みんな忘れてるかもしれないけどこれはあくまでマッサージ器なのです。
AVの撮影所よりもばーちゃん家にあるのが正しいのだ。
私はこれを母の日のプレゼントとして買いました。
きれいにプレゼント包装された電マを受け取ったその時、「あっ そういえばこれって」と思い出した。
でも、マッサージ器には違いないし変に意識するほうがおかしい。
お母さん喜んでくれてるし! 大丈夫! 正解!
今もそう念じながら、居間の隅に置かれた電マを見ている。
電マ責めエロ漫画を読みながら。

②ローター
これはかなり王道も王道なのではないでしょうか。
男性向け女性向け問わず頻出する大人のオモチャのエースです。
「今日はこれを挿れたまま行動しろ」と強制され、嫌なはずなのに微弱な振動に体が高まり……みたいな。
さて、微弱な振動で焦らされた体がいきなり強にされた振動で絶頂する……このお約束パターンを生む道具の真の実力とはいかに。
気になったら手に入れてみないわけにはいきません。
しかし、このローターというやつ、非常に安い。
有線ならひとつ100円のものもあるくらいのお手頃グッズなのだ。
だから下手にそれだけ買おうとすると、送料のほうが高くついてしまう!
もういっそダイソーで売ってくれんか。
攻めも100円ぽっちで受けをあんなに悶えさせたりしてるんだと思うと、なんてリーズナブルな変態プレイであろうか。
100円の商品の送料で500円くらいかかるのめちゃくちゃムカつくじゃないですか。損したみたいで。
というわけで、私は10個買いました。
ローター10個セットって商品があるのだ。消耗品だからね、まとめ買いがお得なんだね。
アホなので10個も買ってどうすんだとはちっとも思ってなかったです。
全国の攻めもこうして10個セットで買ってるのかな。それってかわいくないですか?
満を持して届いた10個セットのローターの威力ですが、これに関してはもうひたすらに悲しかったです。
今や絶滅危惧に瀕した折り畳み式携帯のバイブレーションのほうが強いのでは。
私がやっすいの買ったせいだと思うんですけど。
頬に当て強弱のつまみをひねる度、プルプルと震えるはチワワのごとし。
こんなの入れてることを忘れるんじゃないでしょうか。
これ読んでるリアル友だち、もう私のことは捨ててくれって感じですけど、切れ痔を患った我が尻穴をもってしてもこの振動とサイズ感は多分入ってても入ってなくても変わんないと思う。
尻の中で震えるローターのことを思いながら一句読めるくらいの塩梅なのである。
ローター、一つ猫じゃらしてる間にコード切れて捨てた以外は全くの未使用で残ってますのでいかがですか。
ご連絡いただければ送ります。

③バイブ
さまざまな形がある、これもまた定番アイテムですよね。
私はこれをプレゼントされました。この経緯については割愛しますが、これに関してだけはいただきものなのです。
蓋を開け、バイブと向き合った私はまず商品名で笑いました。
命名「スーパーアクメDX」
すがすがしいネーミングと下品極まるロゴ、けばけばしいピンク。
形はなんとなくサボテンに似ていて、膣挿入用の棒と陰核刺激用のアームに枝分かれしています。
パッケージを読むに、先がまあるくコブのようになった棒がGスポットを刺激! たちまちアクメ! とのこと。
私の処女は事故(転んで定規が刺さったのだ)によって失われているのですが、なんとなくこいつに侵入を許すのは癪だなと思って使ってないのですが、口コミ評価は上々のようであります。
私はこれを捨てるために、アホなので「ごみ分別大辞典」で「バイブレーター」を必死に調べました。
そんなもの書いてあるわけない。

④ローション
いろんなところの滑りをよくするための必須アイテム。
特に、福利厚生の行き届いたBL小説には欠かせないですね。
私は福利厚生最悪のスラムリンチレイプが好きなのであんまり登場させないんですけど、ふつう優しい攻めは用意してくれてると思います。
スーパー攻めさまはなぜか必ずサイドボードの一番下の段からコンドームと一緒に出してきます。
そういう攻めは「あ~、絶やさないように準備してんだな~」と見ていてやさしい気持ちになる。
あと、ちょっとズボラな大学生受けがベッドの下からビニール袋に入れたまんまのローションボトルをガサガサ出してくるのかわいい。ドラッグストアでペペローション買ってんのめちゃかわいくないですか?
私はズボラな面がある部屋ではスウェット派の大学生受けではないんですけど、私もドラッグストアでローションを買いました。
目的は彼氏とのプレシャスな時間のため……。
ではなく、ずっと待ち望んでいた推しのフィギュアにぶっかけるためです!
当初の目的はあっさり果たされ、私は大満足。
ですが、後先考えないアホの私はそこでやっと「残りどうしよう」と気づきました。
今は使い切りのパック売りもあるのになぜか大ボトルで買ってしまったのだ。
しかし私はプレジャーを定期的に楽しむタイプではない。彼氏もいない。
そんなに頻繁にフィギュアにローション垂らして喜べるタイプでもない。一回やったら飽きた。
ローションはたっぷり残っている。このまま捨てるのは忍びなかった。
「そうだ、飲もう」
それを思いつくのにそう時間はかからなかったと思う。
ペペローションは「万が一口に入っても問題ない」と明記されている。
じゃあ飲んでもいいんじゃないか?
知能が退化した成人女性はほぼ口唇期の赤ん坊なのでなんでも口に入れるのだ。
ちなみに、ローションは甘いです。
ポリ系の甘味があり後から独特のほんのりした苦味が追いかけてくるような感じで非常に飲みやすい。
そのままだと粘度が高いので若干希釈するとのどごしも良いと思われます。
また、食事のお供にも。
辛口カレーにかけるとなんとも言えぬ甘味が追加されるし、チャーハンにかけるとあんかけっぽいです。
ホットケーキにはちみつの代わりにかけるのはどうかと試しましたが、それは甘味が足りませんでした。
とにかく量があったのでいろいろ試したので、そのうちだれか聞いてください。
まだ残ってるんですが、これもうそろそろ賞味期限来るのかなぁ?
元が食品じゃないのでなんとも言えないですけど……。
腐るんですかね?
なんにしても、体によくはないだろうな、と思いながら定期的に飲んでいます。

⑤ディルド
真打登場といったところではないでしょうか?
バイブよりももっとシンプルに、男性器を模したザ・王道で無骨なアイテム。
そもそもなんで買ったかというと、私が処女で腐女子だからです。
BLって基本的に男と男の恋愛であってベッドシーンは棒と棒の戦いです。
でも処女だからよくよく考えてみるとその肝心の「棒」と向き合ったことがなかったのです。
限界喪腐女子は画像データになった男性器しか知らない……。
それで十分と見る向きもあるでしょうが、実際のところどういう質量なのか知りたく思いました。
クソバカエピソードですけど恥を忍んで言えば、まず紙粘土でちんちんを制作しました。
日本人の平均サイズをネット検索し真剣に作業する姿、その情熱をもっと別のところに活かせれば人生もう少し変わっていたんじゃないかと思うけど、性分がこうだから仕方ない。
でもやっぱり自分で作ったのはなんか違ったんだよな。
狂った成人女性が陶芸家のごとく「こうじゃない!」とまだ乾いていないやわらかいちんちん粘土細工を叩き壊すところ、もうギャグ通り越してホラーの域では?
かくして私はさらなる高み、さらなるリアルを求めディルド購入に至ったのです。
塩ビ製なのか若干の臭気を放つゴムっぽい感触のディルドを手に、私はめちゃくちゃ頷いていました。
浮かび上がった血管も表現された怒張は限界喪腐女子の知的好奇心を満たすには十分な代物。
ここで満足いかなかったら出会い系で本物を探し、腐的好奇心のために対人間の処女を失っていたと思うのでここで止まれてよかったねと拍手してほしい。
でもまた困ったのがこいつの始末です。
なにせ私の家はプライベート・プライバシー・プライド無しの3P住宅なので、こんなもん隠す場所がないのです。
私には自分の部屋もないし、自分の私物引出しも家族が勝手に開けるので不安があります。
だから使わないならさっさと捨てちまうに限るのです。
結局こいつは、本来の役目を一切果たすことなく(吸盤で風呂の壁にちんちんを生やしたりしてひとしきり大笑いするとかはした)キッチンばさみでバラバラに切り刻まれて捨てられました。
この作業になんの感情も伴わなかったのは私が女だったおかげですね。
男だったらこの作業を敢行するのに何か複雑な感情や痛みがあったものと思われます。
いや、そもそもちんちんが生えてればこんな無駄な出費や作業必要なかったんですけど。

⑥オナホ
ディルドと一緒にこいつも買ってみた。
男のプレジャータイムのお供として呼び声高いオナホールです。
残念ながら私は女なのでこれを体験できないけど、疑似ちんちんを購入したタイミングで買えば挿入の際にどういう働きをするのかわかると思って……。
結果から言うんですけど。世の中のオナホメーカーは今すぐ2メートルのオナホを作るべき。
箱から出して手に取った瞬間、私は至福に包まれた。
ふっかふか、すべすべ、もちもち……。
どの言葉もぴったりなようで違うような、素晴らしいさわり心地。
赤ちゃんのほっぺやおねーさんのおっぱいにも劣らぬこの感触、まさしく極楽。
私は速攻Googleで「オナホ 寝袋 Amazon」で検索していた。
なんでオナホと同じ素材でできた寝袋がない?!
こんなサイコーのさわり心地、ちんちん突っ込んでゴシゴシしてる場合か!
一刻も早く全身包まれるべきだろ!!!
しばらくふにふに揉んでみたり中に指を入れてみたり、完全にトランス状態だった。
こんなん、童貞のちんちんに与えたらヤバない?
近所の大学生のおにーちゃんにオナホにもらって夢中になる男子中学生の信ぴょう性が147861863454%になった。
私がちょっと雌っぽい大学生のおにーちゃんだったら近所に住んでて昔からよく遊んであげてた男の子にオナホプレゼントすると思う。それで「本物も試してみる?」と笑いかけると思う。
このオナホについては、処分に困らなかった。
この至福の時からわずか数時間でオナホが急死するからである。
ひとしきりオナホを楽しんだ私は当初の使用方法として考えていたディルド挿入を遂行した。
ローションをまとわせ(初めてこのローションは食用以外のマトモな用途で使われた)ディルドをにゅるりと挿入したその時、3P住宅にお母さんが帰ってきた!
私はもういい大人なので何を買おうが自分のお金だし文句は言われないと思うけど、物が物だけに見つかるとバツがわるいに決まっている。
大慌てで布団と棚の隙間にオナホを突っ込んで隠した。
ディルドがささったまま……。
そして、再び家族の目を盗んでオナホを回収した時、オナホは死んでいた。
ふにふにだったオナホは内側からしみだしたような油にまみれ、溶けて至る所に大穴があいていた。
オナホの素材とディルドの素材が合わなかったのだろうか。
なんらかの化学変化が起きてしまったのか、オナホはグズグズに溶けて二目と見られぬ姿になって……。
私は泣いた。マジで泣いた。
軽いペットロスである。
当時ツイッターをフォローしておられた方の中には記憶にある方もいようと思うが、「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」と言ってオナホの葬式をしていた。
あれ以来、新しいオナホは買っていない。
私はあのオナホが良かったんだ。あのオナホと暮らしたかったんだ……。


6つの大人のオモチャとの思い出を書いたけど、書きながら「こいつアホなのか?」と思わずにいられなかった。
でも、こういうクソバカ理由で大人のオモチャ買っては無駄にしてる人間もいるから、本来の目的で買うのに罪悪感を覚えたり必要以上に恥ずかしがったりする必要一切ないと私は思う。
おそらく、大人のオモチャたちも本来の目的に使ってもらえるほうが本望であろう。
またクソバカ理由で大人のオモチャ買ったらレポしますけど、これが何の役に立つというのか。
何の役にも立たないだろうな……。
でもほんと、余ったローター譲渡とかローション料理レシピとか、いつでも承りますから!


Posted at 20:35 | 小話 |
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