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2017.04.11

『限界腐女子、大人のオモチャを買い込む』

大人のオモチャ、買ったことありますか。
私はあります。

昨今は女性の自慰行為をケアとかプレジャーとかソフトに呼んで解放していく向きがあり、女性がそういった商品を買うのもそんなに隠すことでもなくなってきたのではないでしょうか?
とはいえ大っぴらに買ったぞ!と喧伝して回る必要もないものですが。
なぜなら大人のオモチャ=ちょっとエッチな使い方❤というのが当然だからであります。

しかし、私は大人のオモチャをあれこれ買ってきましたが、いまだ本来の使い方をしたことがマジでありません。
今回は私とベッドをともにできなかったいろんな大人のオモチャたちの話をしたいと思います。

①電マ
正式名称を「ハンドマッサージャー」というあいつ。
これ、別にアダルトグッズでもなんでもないですけど、そういう通販サイトで買えますよね。
性的に楽しむための機能を追加するアタッチメントとかもあったりして、大人のオモチャの扱いをされることも多いのでは。
全然関係ない話ですが私は電マ責めエロ漫画が世界一好きなので、なんかオススメあったら教えてくださいね。
みんな忘れてるかもしれないけどこれはあくまでマッサージ器なのです。
AVの撮影所よりもばーちゃん家にあるのが正しいのだ。
私はこれを母の日のプレゼントとして買いました。
きれいにプレゼント包装された電マを受け取ったその時、「あっ そういえばこれって」と思い出した。
でも、マッサージ器には違いないし変に意識するほうがおかしい。
お母さん喜んでくれてるし! 大丈夫! 正解!
今もそう念じながら、居間の隅に置かれた電マを見ている。
電マ責めエロ漫画を読みながら。

②ローター
これはかなり王道も王道なのではないでしょうか。
男性向け女性向け問わず頻出する大人のオモチャのエースです。
「今日はこれを挿れたまま行動しろ」と強制され、嫌なはずなのに微弱な振動に体が高まり……みたいな。
さて、微弱な振動で焦らされた体がいきなり強にされた振動で絶頂する……このお約束パターンを生む道具の真の実力とはいかに。
気になったら手に入れてみないわけにはいきません。
しかし、このローターというやつ、非常に安い。
有線ならひとつ100円のものもあるくらいのお手頃グッズなのだ。
だから下手にそれだけ買おうとすると、送料のほうが高くついてしまう!
もういっそダイソーで売ってくれんか。
攻めも100円ぽっちで受けをあんなに悶えさせたりしてるんだと思うと、なんてリーズナブルな変態プレイであろうか。
100円の商品の送料で500円くらいかかるのめちゃくちゃムカつくじゃないですか。損したみたいで。
というわけで、私は10個買いました。
ローター10個セットって商品があるのだ。消耗品だからね、まとめ買いがお得なんだね。
アホなので10個も買ってどうすんだとはちっとも思ってなかったです。
全国の攻めもこうして10個セットで買ってるのかな。それってかわいくないですか?
満を持して届いた10個セットのローターの威力ですが、これに関してはもうひたすらに悲しかったです。
今や絶滅危惧に瀕した折り畳み式携帯のバイブレーションのほうが強いのでは。
私がやっすいの買ったせいだと思うんですけど。
頬に当て強弱のつまみをひねる度、プルプルと震えるはチワワのごとし。
こんなの入れてることを忘れるんじゃないでしょうか。
これ読んでるリアル友だち、もう私のことは捨ててくれって感じですけど、切れ痔を患った我が尻穴をもってしてもこの振動とサイズ感は多分入ってても入ってなくても変わんないと思う。
尻の中で震えるローターのことを思いながら一句読めるくらいの塩梅なのである。
ローター、一つ猫じゃらしてる間にコード切れて捨てた以外は全くの未使用で残ってますのでいかがですか。
ご連絡いただければ送ります。

③バイブ
さまざまな形がある、これもまた定番アイテムですよね。
私はこれをプレゼントされました。この経緯については割愛しますが、これに関してだけはいただきものなのです。
蓋を開け、バイブと向き合った私はまず商品名で笑いました。
命名「スーパーアクメDX」
すがすがしいネーミングと下品極まるロゴ、けばけばしいピンク。
形はなんとなくサボテンに似ていて、膣挿入用の棒と陰核刺激用のアームに枝分かれしています。
パッケージを読むに、先がまあるくコブのようになった棒がGスポットを刺激! たちまちアクメ! とのこと。
私の処女は事故(転んで定規が刺さったのだ)によって失われているのですが、なんとなくこいつに侵入を許すのは癪だなと思って使ってないのですが、口コミ評価は上々のようであります。
私はこれを捨てるために、アホなので「ごみ分別大辞典」で「バイブレーター」を必死に調べました。
そんなもの書いてあるわけない。

④ローション
いろんなところの滑りをよくするための必須アイテム。
特に、福利厚生の行き届いたBL小説には欠かせないですね。
私は福利厚生最悪のスラムリンチレイプが好きなのであんまり登場させないんですけど、ふつう優しい攻めは用意してくれてると思います。
スーパー攻めさまはなぜか必ずサイドボードの一番下の段からコンドームと一緒に出してきます。
そういう攻めは「あ~、絶やさないように準備してんだな~」と見ていてやさしい気持ちになる。
あと、ちょっとズボラな大学生受けがベッドの下からビニール袋に入れたまんまのローションボトルをガサガサ出してくるのかわいい。ドラッグストアでペペローション買ってんのめちゃかわいくないですか?
私はズボラな面がある部屋ではスウェット派の大学生受けではないんですけど、私もドラッグストアでローションを買いました。
目的は彼氏とのプレシャスな時間のため……。
ではなく、ずっと待ち望んでいた推しのフィギュアにぶっかけるためです!
当初の目的はあっさり果たされ、私は大満足。
ですが、後先考えないアホの私はそこでやっと「残りどうしよう」と気づきました。
今は使い切りのパック売りもあるのになぜか大ボトルで買ってしまったのだ。
しかし私はプレジャーを定期的に楽しむタイプではない。彼氏もいない。
そんなに頻繁にフィギュアにローション垂らして喜べるタイプでもない。一回やったら飽きた。
ローションはたっぷり残っている。このまま捨てるのは忍びなかった。
「そうだ、飲もう」
それを思いつくのにそう時間はかからなかったと思う。
ペペローションは「万が一口に入っても問題ない」と明記されている。
じゃあ飲んでもいいんじゃないか?
知能が退化した成人女性はほぼ口唇期の赤ん坊なのでなんでも口に入れるのだ。
ちなみに、ローションは甘いです。
ポリ系の甘味があり後から独特のほんのりした苦味が追いかけてくるような感じで非常に飲みやすい。
そのままだと粘度が高いので若干希釈するとのどごしも良いと思われます。
また、食事のお供にも。
辛口カレーにかけるとなんとも言えぬ甘味が追加されるし、チャーハンにかけるとあんかけっぽいです。
ホットケーキにはちみつの代わりにかけるのはどうかと試しましたが、それは甘味が足りませんでした。
とにかく量があったのでいろいろ試したので、そのうちだれか聞いてください。
まだ残ってるんですが、これもうそろそろ賞味期限来るのかなぁ?
元が食品じゃないのでなんとも言えないですけど……。
腐るんですかね?
なんにしても、体によくはないだろうな、と思いながら定期的に飲んでいます。

⑤ディルド
真打登場といったところではないでしょうか?
バイブよりももっとシンプルに、男性器を模したザ・王道で無骨なアイテム。
そもそもなんで買ったかというと、私が処女で腐女子だからです。
BLって基本的に男と男の恋愛であってベッドシーンは棒と棒の戦いです。
でも処女だからよくよく考えてみるとその肝心の「棒」と向き合ったことがなかったのです。
限界喪腐女子は画像データになった男性器しか知らない……。
それで十分と見る向きもあるでしょうが、実際のところどういう質量なのか知りたく思いました。
クソバカエピソードですけど恥を忍んで言えば、まず紙粘土でちんちんを制作しました。
日本人の平均サイズをネット検索し真剣に作業する姿、その情熱をもっと別のところに活かせれば人生もう少し変わっていたんじゃないかと思うけど、性分がこうだから仕方ない。
でもやっぱり自分で作ったのはなんか違ったんだよな。
狂った成人女性が陶芸家のごとく「こうじゃない!」とまだ乾いていないやわらかいちんちん粘土細工を叩き壊すところ、もうギャグ通り越してホラーの域では?
かくして私はさらなる高み、さらなるリアルを求めディルド購入に至ったのです。
塩ビ製なのか若干の臭気を放つゴムっぽい感触のディルドを手に、私はめちゃくちゃ頷いていました。
浮かび上がった血管も表現された怒張は限界喪腐女子の知的好奇心を満たすには十分な代物。
ここで満足いかなかったら出会い系で本物を探し、腐的好奇心のために対人間の処女を失っていたと思うのでここで止まれてよかったねと拍手してほしい。
でもまた困ったのがこいつの始末です。
なにせ私の家はプライベート・プライバシー・プライド無しの3P住宅なので、こんなもん隠す場所がないのです。
私には自分の部屋もないし、自分の私物引出しも家族が勝手に開けるので不安があります。
だから使わないならさっさと捨てちまうに限るのです。
結局こいつは、本来の役目を一切果たすことなく(吸盤で風呂の壁にちんちんを生やしたりしてひとしきり大笑いするとかはした)キッチンばさみでバラバラに切り刻まれて捨てられました。
この作業になんの感情も伴わなかったのは私が女だったおかげですね。
男だったらこの作業を敢行するのに何か複雑な感情や痛みがあったものと思われます。
いや、そもそもちんちんが生えてればこんな無駄な出費や作業必要なかったんですけど。

⑥オナホ
ディルドと一緒にこいつも買ってみた。
男のプレジャータイムのお供として呼び声高いオナホールです。
残念ながら私は女なのでこれを体験できないけど、疑似ちんちんを購入したタイミングで買えば挿入の際にどういう働きをするのかわかると思って……。
結果から言うんですけど。世の中のオナホメーカーは今すぐ2メートルのオナホを作るべき。
箱から出して手に取った瞬間、私は至福に包まれた。
ふっかふか、すべすべ、もちもち……。
どの言葉もぴったりなようで違うような、素晴らしいさわり心地。
赤ちゃんのほっぺやおねーさんのおっぱいにも劣らぬこの感触、まさしく極楽。
私は速攻Googleで「オナホ 寝袋 Amazon」で検索していた。
なんでオナホと同じ素材でできた寝袋がない?!
こんなサイコーのさわり心地、ちんちん突っ込んでゴシゴシしてる場合か!
一刻も早く全身包まれるべきだろ!!!
しばらくふにふに揉んでみたり中に指を入れてみたり、完全にトランス状態だった。
こんなん、童貞のちんちんに与えたらヤバない?
近所の大学生のおにーちゃんにオナホにもらって夢中になる男子中学生の信ぴょう性が147861863454%になった。
私がちょっと雌っぽい大学生のおにーちゃんだったら近所に住んでて昔からよく遊んであげてた男の子にオナホプレゼントすると思う。それで「本物も試してみる?」と笑いかけると思う。
このオナホについては、処分に困らなかった。
この至福の時からわずか数時間でオナホが急死するからである。
ひとしきりオナホを楽しんだ私は当初の使用方法として考えていたディルド挿入を遂行した。
ローションをまとわせ(初めてこのローションは食用以外のマトモな用途で使われた)ディルドをにゅるりと挿入したその時、3P住宅にお母さんが帰ってきた!
私はもういい大人なので何を買おうが自分のお金だし文句は言われないと思うけど、物が物だけに見つかるとバツがわるいに決まっている。
大慌てで布団と棚の隙間にオナホを突っ込んで隠した。
ディルドがささったまま……。
そして、再び家族の目を盗んでオナホを回収した時、オナホは死んでいた。
ふにふにだったオナホは内側からしみだしたような油にまみれ、溶けて至る所に大穴があいていた。
オナホの素材とディルドの素材が合わなかったのだろうか。
なんらかの化学変化が起きてしまったのか、オナホはグズグズに溶けて二目と見られぬ姿になって……。
私は泣いた。マジで泣いた。
軽いペットロスである。
当時ツイッターをフォローしておられた方の中には記憶にある方もいようと思うが、「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」と言ってオナホの葬式をしていた。
あれ以来、新しいオナホは買っていない。
私はあのオナホが良かったんだ。あのオナホと暮らしたかったんだ……。


6つの大人のオモチャとの思い出を書いたけど、書きながら「こいつアホなのか?」と思わずにいられなかった。
でも、こういうクソバカ理由で大人のオモチャ買っては無駄にしてる人間もいるから、本来の目的で買うのに罪悪感を覚えたり必要以上に恥ずかしがったりする必要一切ないと私は思う。
おそらく、大人のオモチャたちも本来の目的に使ってもらえるほうが本望であろう。
またクソバカ理由で大人のオモチャ買ったらレポしますけど、これが何の役に立つというのか。
何の役にも立たないだろうな……。
でもほんと、余ったローター譲渡とかローション料理レシピとか、いつでも承りますから!


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Posted at 20:35 | 小話 |
2017.04.11

溺れてるけど、藁を掴むのが下手すぎる

私事も私事であるが、彼氏との交際が昨日で半年とのことである。
LINEで連絡があって初めて私はそれを知った。
0時きっかりにきたあたたかいメッセージになんと返したものか悩んでもう一日が過ぎた……。
なんて返したらいいのか本当にわからない。
私は彼をなんとも思っていないので。

ところで、これを読むあなたにとって「生きるよすが」とはなんだろうか?
生きる意味とかよりどころとか、そういうものが誰しもひとつはあるのではないかと思う。
たとえばそれは家族だったり趣味だったり将来の夢だったり。
日々ボーッとなんにも考えずに生きているという人もよくよく考えればきっとある。
しかしながら、心の調子を崩すとそういったものがなくなってしまうのもまた事実なのだ。
私は社会人三年目の初夏、精神のバランスを大いに崩した。
もともとうつ傾向が強く通院していたのが任せられた仕事の大きさに耐えられずひどくなって、という経緯があるのだがそれは今回のことには深く関わってこないので割愛する。
ともかく、私はなんやかんやで躁うつ病の診断を受けるに至った。
うつ状態に陥り深く落ち込んだ私は今まで「ボーッとなんにも考えずに生きていた」状態が保てなくなってしまった。
無意識的に持っていた生きるよすがを完全に見失ったのである。
何も手につかなくなった。
本どころか漫画も読めなくなり、テレビ番組も聞き流せはするが理解できなくなった。
飼い猫もかわいがる気が起きない。風呂も歯磨きも立ち上がるのもおっくうになった。
幸いにも拒食・不眠状態というより過食・過眠になったので、空いた時間は泣いてるか食べてるか吐いてるか寝てるかしてればよかった。
とりあえずやることはあったのでラッキーなほうだ。体重は7キロ増えたけど……。
しかしながら「これがあるからがんばるぞ!」「明日は予定があるから今日これを済ませておかなきゃ」など日々の糧を一切忘れてしまった状態なので、もう完全にオワリを感じていた。
ボーッとなんにも考えずにワハワハ笑って生きていたのが、ボーッとしながら死を考えるようになったのでとりあえずクオリティ・オブ・ライフがマイナスなのはわかってほしい。
もっとつらい人たくさんいると思うんですけど、この苦しみは私だけのものなのでとりあえず言わせておいてください。
生きるよすががない。
キツい。
早めに死にたい。
ここから逃れさせてくれ。
生きる価値なし……。
このあたり、ツイッター見てた人に指摘されたのだが明らかにおかしくなっていたという。
本人は自覚がない。毎日苦痛だったかもな???と思うくらいで。(今はサイコ~にハイ!です)
何もしなくても涙が出るなか、とりあえず出社しては会社の便所で腕をスパスパ切る日々。
しかし、そんな毎日にある日突然転機到来!
躁のお通りである。
急にムクムクと不思議な自信があふれてきたのを覚えている。
「あ、風呂入らなきゃ」と思った。風呂上り、鏡を見て突然「私は世界一かわいい」と思った。
久しぶりに髪の毛をきちんとドライヤーで乾かしながら、私は昨日まで考えることもできなかった明日のことを考えていた。
本人は全くこの変化を自覚していなかったが、躁期間に入った私はいろんなものを求め始める。
漫画ほしい!(でも開いたところで集中できなくて内容を理解できはしない)
新しい服、新しい靴買わなきゃ!(買うだけで袋から出せない)
メガネを新調したい!(これ、マジで似合わないの買ったから今もかけてない)
お母さんに映画とごはんをおごりたい!(これはちゃんとおごりました)
自転車でバンバン出かけたい!
その流れで、ずっとお休みしていたアウトドア系のサークル活動も再開した。

しかし、アップ期間はそう長く続かなかった。
私はウルトラマンのごとく躁の期間が短いたちらしい。
また緩やかな精神状態の降下が始まった。
一度取り戻した意欲が徐々に失われていくのを知覚するのは驚くほど恐ろしい。
ズルズル落ちていくなか、私は「生きるよすががまたなくなっちゃうぞ」と恐怖した。
私は必死にたのしそ~!なことを試した。
漫画がダメだったのでアニメを見た。漫画原作ミュージカルも見てみた。
カラオケに行ってみた。
一人スイーツバイキングも敢行した。
公園にお弁当を持って行ってみたりもした。
手当たり次第である。
まさに、溺れる者は藁をもつかむ。
うつの濁流に流されかける私が手を伸ばしまくった藁に、一つ引っかかるものがあった。
鉄血のオルフェンズであった。
dアニメストアで一気見しながら私はホッとした。
「これ、たのしい。しばらく大丈夫そう」
それにかぶりつくことでモチベーションが保てるのを感じ、思ったのだ。
「この調子でとりあえず手当たり次第掴んでみてひとつでも生きるよすが候補を増やそう」

ここでやっと冒頭の彼氏の話題に戻る。
本当に長々書いてしまって冗長極まる。私はあんまり簡潔に書くのが得意でないので。
私がいわゆる「恋人」を得たのは「生きるよすが」になればいいと思ったからだ。
鉄血のオルフェンズ一期を全部見終わった私は、二期開始までの間にさらによすが候補を集めることに腐心した。
溺れる者は藁をつかみまくる。
気分が下降しないよう、(本人はそれはそれで問題だとは思っていなかったので)永遠にこの最高にハイな気分が続くよう、とにかく流れてくる藁に手を伸ばしてつかんでみた。
その一つが「恋愛」であった。
世には恋愛至上主義なる考え方がある。恋愛なしに生きるのはもったいない、とも。
恋愛を主題にしたドラマ、映画、小説、漫画にも事欠かない。
私はしばらく恋愛をしていなかった。
誰も妖怪化した腐女子の恋愛遍歴なんか聞きたくもないと思うのだが、長続きしたり深い関係にならなかったにしてもとりあえず告白されて付き合ってみたことはある。
しかしそれらを中心に生活を送るということは経験がなかった。
その人無しで生きることが考えられない!めっちゃ好き!という感情がそこまで強くない暮らしを送ってきたからだ。生身の人間への執着心が薄い妖怪腐女子なので。
でも今は違うかもしれない。私は最後に彼氏がいた時よりずっと年齢を重ねた。
試してみる価値はあると思った。
私はその時、自分はなんでもできるという万能感に狂っていたので、止まる理性は存在しない。
行動は早かった。
「付き合ってくれ! 私のこと嫌いか!? 嫌いではないよね?! じゃあ、付き合おう!」
予備動作一切無しのストレート剛速球を身近な男性の腹に食らわせ気絶させるまで、マジで2日とかからなかった。
躁状態のイッちまってる女の気迫負けしたのか、それとも私のことちょっと気になってたのか、相手があんな脅迫のような告白にオーケーしたのもめちゃくちゃにクレイジーだと思う。
彼は気が弱い童貞だった。
私はまた一本、藁をつかんだ。

しかし、私は愚かなのでその時ちっとも考えていなかった。
この「恋愛」なる藁は、他の藁と違って一度つかむと簡単に手放せないことに。
非常に不純な動機から始まったわれわれの交際は難航を極めた。
まず好きになることから始めなければならなかったからだ。
卵が先か鶏が先か、というが、こと恋愛に関しては「好き」が先に来ていてしかるべきだろう。
なのに感情なく無理矢理に「交際」のほうから始めてしまったものだからもうめちゃくちゃだ。
彼氏になった男性はなかなかにオモシロ人材なので、心のない半年の付き合いであってもそこそこにスベらないネタもあるのだが、今回の話には直接のかかわりはないので割愛する。
(とりあえず、知り合い全員に「なんで付き合った?」「別れたほうがいいって」と言われる人材であることだけお伝えしたい。彼は大学中退で無職でニートなのだ。でも彼はいいやつだと私は思う)
恋や愛を目的としたものでない恋愛関係に案の定私はすぐに飽きてしまった。
「LINEは毎日しよう」
「記念日はお祝いしよう」
その頃、私のテンションはまた緩やかに下降を始めていた。
鉄血のオルフェンズ二期開始まで案外時間が空いていたせいだと、今にして思えばわかる。
ともかく「毎日○○をする」という義務が非常にうっとうしくなっていた。
自分から始めた交際になにを文句つけてるのかと糾弾されたらもうすみませんと言うほかない。
もう完全にクソ人間もクソ人間。
彼氏が優柔不断で、デートの行先やごはんのお店なんかも全部私が提案しなきゃいけなかったのもズッシリくる重たさに拍車をかけた。
まぁ、でも彼氏は悪くないのだ。いいやつなのだ。
彼氏はふつうに「恋愛」を真っ当に求めてきていたのに、私だけがそこに「生きるよすが」という可能性を求めていたお門違い野郎だから。

付き合い始めて三か月記念の日、彼氏がお母さんからのお小遣いで食事の代金をちょっと多く払ってくれた時。
私は決定的に「違うな……」と思った。
なんかもう彼氏も自分も情けなく思えてしまい、なんかもう会いたくねえなぁ、になった。
三か月間、もしかしたらもしかしたらと期待したものの、これは生きるよすがになりえないのがわかってしまったのである。
遅すぎると思う。
彼氏の時間を無駄に使ってしまって申し訳ない。本当にごめんな……。
いつまで経っても就職しないから…とか仕事の話すると気まずくなるから日常の報告ができないから…とかなにかしら相手にいちゃもんつけようと思えばつけられるのだが、そもそもそこを包み込むほどの「好き!」がなく、勝手にメンヘラ治癒のためのプログラムに組み込もうとした私が悪い!
鉄血のオルフェンズ二期はとっくに始まっていた。
私が毎週楽しみにしているのは、彼氏と顔を合わせる瞬間ではなく鉄血のオルフェンズ最新話放送日であるのは明白だった。
毎週展開を重ねるごとに重苦しくなる任侠ガンダムに完全に興味が移っている。
もともとヤクザものが好きなので、ロボットより任侠に比重が置かれ始めた鉄血のオルフェンズが好きにならないわけがないのだ。
多少の粗くらい見逃してしまう。
しかし、私の人間としての粗は脚本のように見逃せないのだった。
三か月経っても手をつなぐだけの清い関係に周囲は勘ぐり始めた。
まぁ相手もその先を促してもちっとも手を出してこないのですが……(ブスだからですか?)
私の気持ちがカレピッピから離れているのは傍目に見ても明確なのであった。

そんなこんな、とまとめることもできない話だが、そんなこんなでさらに三か月経った。
半年が経過した。
鉄血のオルフェンズは最終回を迎えた。
私の生きるよすがはまたなくなってしまい、現在緩やかな下降を感じている。
毎日緩やかに全部が面倒になっていくのを感じる。
そして、一応私と彼の「恋愛」は続いている。
だがテンションの下降には歯止めがきいていない。
私の生きるよすがは、やっぱり「恋愛」には見いだせていなかったのがいよいよもって証明された。
これは溺れている時につかむ藁ではなかったのだ。

私みたいな全日本無責任他人の時間無駄遣い最悪委員会の会員はツイッターのフォロワーとか、このブログを読んでる人にはいるんだろうか。いてくれ、頼む。安心するから。
でも、そろそろこの最悪委員会から抜ける、もとい藁を手放さなくてはならない。
彼氏の就職が決まりそうなのだ。
彼の初めての仕事は、配管工だ。思わず「マリオかよ」と言ってしまった。
仕事を始めれば絶対私よりマシな女が見つかるはずなのだ。なぜならいいやつだから。
だからそろそろ「付き合って半年だね」LINEにも誠意ある返信をせねばならない。
私は日々緩やかにうつ状態に向かって下降している。
全部がめんどくさくなってオワリ~~~~!になる前に謝っておく必要があるのだ。


最後に、溺れる者は藁をもつかむの意味を今一度確認したい。

「溺れる者は藁をも掴むとは、人は困窮して万策尽きたとき、まったく頼りにならないものにまで必死にすがろうとするというたとえ。」

恋愛自体は「まったく頼りにならないもの」ではないだろう。
ただ、「恋愛関係を持つことで生きるよすがが増えるかも!」という本末転倒意味不明理論で恋人作っても迷惑をかけるだけという話なのだ。
私に言われるまでもないと思うんですけど、他人との関係を築く際の判断は慎重に。
マジでこんなんばっかだな。
なにせ、アルバイト先もマトモに選べない脳みそカラッポ女だから……。
書いてて思いました。もう本当にどうしようもない人間だよ……。
呆れてください。

Posted at 14:52 | 小話 |
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